何の迷いなくライターに火を点けた父親は、あたしの腹にそれを近づけたんだ。
独特な匂いがすると母親が事態に気づいて、急いであたしを消火してくれた。
それからあたしは病院に運ばれ、集中治療室に何日もいて...
やっと普通の病室にいれることになっても、火傷の痕は消えず。
何年も薬を塗ってきた。
やっとこの前、薬を塗らないでいいようになった。
だけど...もうこの傷はどうにもならないんだ!!
消すことができない...」
あたしは聞いたこと一つ一つを丁寧に思い出しながら、久佐野に話した。
重い話に久佐野は、顔を険しくしている。