「おかえり、ケリミ」


「キングデビルいる?」


と、悔しい感じで、でもどこか怒り気味に訊いてきた彼女。


どうしたんだ?


「出掛けるって聞いてないから、いると思うよ?」


「そう...」


短い返事が返ってくると、彼女はあたしより先に施設に入っていった。


あたしは久佐野と顔を見合わさず、そのまま続いて中に入った。



リビングに入り、キングデビルを見つけたケリミはカバンを放り投げ、彼に近づいた。



「何で私は幸せになれないの?!

私は幸せになっちゃいけないの?!」



今までに無いくらい、ケリミは大きな声で彼に言った。


リビングには他に、クーコとデルがいた。


もちろんのこと二人は驚いている。

あたしもだ。



「なんだよ」


だるそうに返事をするキングデビル。