「離して...!」
力が入らず、相手を振り払うこともできず、あたしはその場に倒れ込んだ。
「ドール?」
暗かったが、顔は見えた。
...門倉だった。
「おい、どうしたんだよ!?」
すると異臭に気づいたのか、顔をあたしの顔に近づける。
異臭の正体がわかると、即座に離れて冷静を繕うように訊かれた。
「何で、酒なんか飲んでんだよ?
なぁ、飲んだよな?」
そんなに問い詰めないでよ。
強引にさせられたことなんだから。
あたしは泣きそうになる目を、必死に両手で押さえた。
「いくらドールでもそんなことするわけないよな?
誰にやられたんだよ?」
今ここで尋問されたくない。
だからあたしはそう伝えた。
「帰りたい...」


