ジョウはあたしの手を握ってきた。 「もう! 行こっ!」 ジョウはゲミより先にあたしと進もうとする。 「ちょ! 私を置いていかないでよ!」 「だってゲミ、僕に教えてくれないんだもん」 先に行こうとするあたし達を、追いつこうと走るゲミ。 こういう一時は、学校での出来事を忘れられる。 嬉しくてたまらない。 「あ!見えた!」 ゲミが帰る建物を見つけると、声を上げた。