「前にも言ったろ?
嘘は通用しないって」
口から出た出任せで、長年一緒にいる彼をごまかすのは容易ではないようだ。
「嘘じゃないよ」
それでもあたしは、本当のことを言おうとしない。
「じゃあ何で男物の服を羽織って帰ってきたんだよ。
制服から漂ってきた悪臭は?」
スモークは何でこんなに訊いてくるの。
たまたまこんなことになってただけなのに。
「何があったの?夕方頃」
「夕方?
話を反らすなよ」
まっすぐとあたしを見つめてくるスモーク。
それでもあたしがいじめられてるなんて、言えない。
「わかんない?」
「わからねーから訊いてんだよ」
あたしは彼に背中を向けた。
弁当箱を手で覆い、あたしは言った。


