最初は担任は気にしてなかったが、花瑤の異常な動きに目を止めた。
「あたしの教科書、どこに行っちゃったの?」
教科書に訊いてるみたいで、笑えてくる。
「花瑶。
お前教科書なくなったのか?」
なかなか事態が収まらない展開に、先生は花瑶に近づいた。
「昨日ちゃんとここに入れてたんです!
だから無いのはおかしいよ! 」
先生に頼るとは、あたしと同じような性分だ。
すると花瑶はこちらを見て笑った。
なるほど、確信犯ね。
あたしは花瑶の出方を窺った。
「誰か花瑶の教科書どこにあったか、知らんかー」
担任が全体に呼び掛ける。
そして数人の子が、こちらを見てきた。


