今藤がドアに手を掛けた時、あたしは彼を引き留めた。 「あたしがあんたを柵から引き下ろした時に起きた痛み、大丈夫? 痛くないか?」 何でこんなに優しく言ってんだ? 相手はあの今藤だよ? 「自分が命を捨てようとしたバチだと捉えてるから、気にするなよ。 じゃあな」 軽快に教室から出ていった彼だった。 なんか安心する。 いつもつまらなそうにしてた彼が、今じゃ笑顔を見せてくれてるから。 多分あたしの前だけにだと思うけど。 でもこれがきっかけで、これからを過ごしていってもらいたい。