雑巾を持った今藤と、すれ違い様に合う。 「ありがとう! 僕のこと助けてくれて」 芯は確かに無かったものの、あたしに礼を言った。 話しかけられたから、あたしは言う。 「男なら、もっと強気でいろ」 教室に入ろうとした時。 あいつ、久佐野の姿が見えた。 やるじゃん、って言いたいような微笑みを浮かべて。 それからHRが済み、学校から出た。 花瑤の鋭い視線があったが、気にしなかった。 ホントにアイツ、あたしは嫌いだ。