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ー6月第1土曜日•浜霧総合運動公園ー
「何よこれ!ふっざけんじゃないわよ!」
朝8時半、浜霧総合運動公園、遠足集合場所に亜希の怒声が響き渡る。
前日の雨のため、開催が危ぶまれたが、今日は昨日の雨が嘘のように晴天だ。
「ごめんって、亜希ちゃん。」
「なんてことしてくれたのよー!」
亜希は自分の体操着に付けられたゼッケンを指さしながら神木に詰め寄る。
「なによこのチーム名の『あきちゃんず』って!!恥ずかしくてこんなの付けて歩けないわよ!」
「かわいいじゃん、あきちゃんず。」
「かわいくないわよ!!」
今から遡ること数分前、寮や校舎から約2キロほど離れたこの運動公園に着いた俺たちは、チームのゼッケンをもらうために受付に行った。
そこでチーム全員分のゼッケンをもらった亜希は絶叫。
そして今のこの状況である。
「もういいわよ、神木にチーム名の入力任せた私が馬鹿だったわ。そろそろ時間だし、噴水前に行きましょう。」
亜希を先頭に俺たちは遠足のスタート地点である噴水前へ向かった。
噴水前では既に大勢の生徒が集まっていた。


