「え、え…悪かった。…つーかお母さんゆーな!そもそも…」
「大声を出すんじゃない、お母さん。」
ヒヨリの言葉に再び開きかけた口を閉じた岡本は恐る恐る田中さんの方を確認する。
幸いにも彼女は岡本に気がついてあないようだった。
岡本は胸を撫で下ろすと、ヒヨリに向き直った。
「で、さっきなんの話してたんだ?」
「…?さっき?」
「好都合だとかなんとか。」
「あぁ、遠足じゃよ。今年の優勝はワシらがもらう。」
ユキが頷く。
「僕たちは負けるわけには行きませんからね。去年の借りを返さないと…」
「俺は今年から入ったから遠足がどういうものかも、お前らに去年何があったかも知らねーけど…、負けるってのは嫌だからな。やるからには優勝したい。」
岡本の言葉に、他の3人は頷いた。
「俺たち四人で優勝しよう。」


