はまきり





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ー浜霧高校 学内レストランー







「中谷悠の友人というからどんな
やつかと思えば、本当に普通のやつじゃった。」


椅子のもたれかかりながら、ヒヨリはつまらなそうにメロンソーダを飲み干す。


「あくまでただの友人ですからね。オリエンテーションでたまたま会っただけだと聞きましたし。別に野添さん自身が強いというわけでは…」


「そうじゃな、かえって中谷悠がチームを組んだのは好都合かもしれん。」


「どうしてですか?」


「中谷悠は強いが、チームを組むことでチームメイトが足を引っ張ってくれる。」


「そうですかねぇ。」


「ワシらには好都合じゃ。」


二人の座るテーブルに、トレーを持った岡本と瀬戸が合流した。


岡本はヒヨリのトレーに乗った空のメロンソーダのグラスと、パフェ、あんみつを見るとため息をついた。


「またかよ!ヒヨリ、お前甘い物ばっか食べ過ぎだ。」


ヒヨリのトレーを取り上げようとする岡本の手を慌ててヒヨリは振り払う。


「なにするんじゃ!ワシの夕飯を…」


「うるせぇ!これは夕飯とは言わない。俺の定食やるから食え!」


「やだ!そんな魚と漬物とおひたしなんて!甘くないじゃないか!」