ユキの見た目は完全に女なため、一瞬ドキッとするが、俺は惑わされない。
「…なに見てるんですか?そんなに僕の着替えが気になりますか?」
「いや、なんでもないよ。」
ユキは何も言わずにいたが、表情が明らかに引いていた。
「そういえば野添さん、もうすぐ遠足のエントリーがありますよ。」
部屋着に着替えたユキはポットのお湯を沸かしながら言う。
「エントリー?なんだそれ。」
「遠足の四人組を登録するんです。たしか、今日から一週間後ですね。」
「遠足の四人組か…」
悠とあともう2人いるのか。
亜希と神木でも誘ってみるかな。
「遠足のエントリー、体育館で一斉に行われるんですよ。内部進学のクラスとも合同ですからなかなか賑やかで楽しいですよ。」
「へぇー。」