「この玉は基本的には何の形にもなることができますが、武器にする際はあなた方の体格、運動能力、反射神経などから算出された最も使いこなせる武器の形になります。」
河野先生は槍を片手で軽く振り回す。
「それではみなさんも武器の形にしてみましょう。簡単ですよ、玉に触れた状態で武器をイメージするんです。」
生徒たちはそれぞれ実践し始めた。
まだ半信半疑だが、とりあえず腕についた緑色のブレスレットを外す。
ブレスレットは緑色の玉の形になった。
そういえばこの玉の色、人によって違うみたいだがどういう意味があるんだろうか。
まぁいいか、今は集中だ。
武器…武器……
「できたー!」
1人の男子生徒が小刀を持って歓喜の声をあげた。
「私も!」
別の女子生徒も弓を持って嬉しそうに飛び跳ねている。
他にもあちこちで生徒たちが武器に変形させることに成功していた。
一方俺はまだ玉を握り締めたままだ。
入寮テストの時はできたのに、不思議だ。


