はまきり





ユキと別れ、南館の2階に向かう。


「おっはよー。野添ちゃん!」


階段を登った所で誰かに背中を叩かれた。


「…神木。」


「なんだよー!そんなに嫌そうな顔するなよ。」


「あんたが朝っぱらからうざったく絡むからでしょ?」


神木の後ろから亜希が顔を出す。


「おはよ、野添。」


「おはよう。」


「ほら、神木!教室行くわよ。」


「え、待ってまだ…」


亜希に引き摺られるようにして神木はA組の教室の中へ消えていった。


俺の所属するC組はこのさらに奥の教室だ。





C組の教室にはすでに半分以上の生徒が着席していた。


正面の黒板には座席表が貼り出されてあり、見るとどうやら出席番号の順になっているらしい。


俺は26番なので右から2列目の後ろから2番目の席だ。