『ただいまより、入寮テストを行います。新入生のみなさんは、係員の指示に従って試験を開始してください。』
教室内のスピーカーから、どこかで聞いたことがあるような、綺麗な女の人の声で放送が流れる。
それと同時に、教室の扉が開いた。
「こんにちはー!新入生!!」
元気な明るい声とともに入ってきたのは浜霧高校の制服姿の女子生徒。
小学生と見間違うほど、童顔で背が低く、茶色のショートヘアの髪に、黒目がちの大きな目が印象的な女子だ。
「私は2年の芦屋 小夏!(あしや こなつ)君たちの試験の担当だよ!よろしくねー!」
芦屋先輩は教室の中央まで来ると赤い箱を手に取り、教室内にいる10人を見渡した。
「うん、10人みんないるね!じゃあせっかくだし自己紹介しようか!…はい、じゃあそこの君から!」
芦屋先輩は俺に人差し指を突きつけ、笑う。


