「どうせただの学力検査だろ。」
浜霧高校は全寮制だ。
たまたま学力検査が入寮式に含まれているだけかもしれない。
指示された教室に入ると、神木も一緒に教室に入ってきた。
「どうしてついてくるんだ。」
「俺もこの教室なんだよ。」
神木は嬉しそうに笑った。
…ついてないな。
教室には男女合わせて10名の生徒がいた。
教室の中には机や椅子、教壇などは一切なく、綺麗に磨かれた床の中央には赤い紙の箱が置かれていた。
「なんだあれ、おもてなしのお菓子か?」
神木が箱を前に首を傾げる。
「そんなわけないだろ。」
それにしても、ここで何をするつもりだろうか。
机も椅子もないところを見ると、入寮テストと言うのは筆記試験ではなさそうだ。


