「あの…ここ、どこなんでしょう?」


「…?」


知らない間に学校から離れてしまったようだ。


見慣れない場所だ。


木々が覆い茂り、足元にはみたこともないような植物が生えている。


花も真っ赤な花や真っ青な花など、怖いくらいはっきりとした色のものばかり生えていた。


その全てが俺たちを見ている気がした。





「野添さん…ここ、もしかしたら学校の裏の森かもしれません。」


「裏の森…?」


「中等部のころ、1度実習で近くまで来たことはあるんですが、危険なので基本的には禁止区域になっている場所なんです。ここ、たぶんその禁止区域の中ですよ…」


「禁止区域って…たしかに不気味な所ではあるけど、見た所そんなに危なさそうでもないし…なにがそんなに危険なんだ?」


「この場所は二つの世界の狭間の、魔界に近い場所だって聞きました…」


「まかい…?なんだそれ?」


「わからないんですか?魔界ですよ、だから出るんです!」


「出るってなにが?」


「何って…!!」