行けそうだ、風を全部ぶつける!
体が引っ張られそうなほどの力が、体から一気に抜け出して彼女たち目掛けて放たれる。
大きな音を立てて弾ける水飛沫、立ち上がる水柱は俺の視界を遮った。
俺の体に巻き付いていた触手は力を失い、俺は自由の身となった。
視界が明ける。
「終わりですね。」
気がつけば、悠が水野に銃口を向けていた。
「中谷!」
「持っているゼッケンを全てこちらに渡してください。手荒な真似はしたくないので。」
「…!」
水野は悔しそうに悠を睨んだ。
「まだよ。あと30秒…」
水野は自分のゼッケンを握り締めながら、そう呟きうつむく。
「30秒…?」
悠は銃口を水野に向けたまま首を傾げる。
「5…4…3…2…」
「!…まさか…」
「1……0!!」
水野の口元が緩む。


