俺の周囲の風が動いた。 俺の方へ集まってくる感覚、あの時と同じ、入寮テストの時と同じ感覚だ。 ゆっくり、ゆっくりと、風が静かに集まる。 「イメージするんです。今集めたものを、全て彼女に。」 悠の言葉に俺はゆっくりと頷くと、精神を集中させた。 この風を、あの水野に当てれば… 周囲の風が動く。 水野たちも周囲の変化に気がついたようだ。 「な、なによコレ?」 でも、もう遅い。