「でも…俺まだ変形上手くなくて…」
「上手くなくて大丈夫ですよ。ただ、なにかあの人たちを驚かせれば…残念ながら私の拳銃は手が塞がれた状態では使えませんから。神木さんや亜希さんも同じです。遠距離で攻撃できるのは野添さんだけなんですよ。」
悠は落ち着いた口調で、そう説明する。
「野添さんだけなんです。」
「わかったよ。」
俺の言葉に、悠は黙って頷いた。
出来るかどうかは分からない。
入寮テストで出来たのはまぐれだし、俺の変形が下手なのは腕についたこの気持ち悪い形のブレスレットが証明している。
正直不安だが、亜希を助けられるのは俺しかいない。
お願いだ、上手くいってくれ。


