「悠を…どうして私が?」
「ほんとはあんたからゼッケン奪ったら開放してすぐに逃げようと思ってたけど…あんたたち見て気が変わったのよ。中谷がさぁ、さっきから捕まってるあんたたちのことチラチラ見てんのよね。」
水野はニヤニヤと笑いながら悠の方を見る。
「中谷。友達ができたとでも思ったの?こいつらはアルファベットだから知らないだけよ。」
「……」
悠は表情を少しも変えることなく、黙って水野を見ていた。
「きっとこいつらもあんたのこと知ったら離れて行く!あんたに友達なんてできないのよ。」
水野は変わらず黙ったままの悠から、再び亜希に目を向ける。
「さて、どうするの?ここで中谷を殺しておけばあんたらはゼッケン3つを手に入れる。悪い話じゃないでしょ?」
「…ふざけないで!たかがゼッケンのために友達売るほど私は馬鹿じゃないわ!」


