「さて、交渉しましょう。ここのチームのリーダーは誰かしら?」
赤髪の女子生徒は俺たちの顔を見回す。
「私よ…」
亜希が名乗り出ると、赤髪の女子生徒はニタリと笑いながら、亜希に近づいた。
「見たことない顔ね。アルファベット組かしら?」
「…A組の中原亜希よ。」
「やっぱり!他の奴らも見たことない顔だし、中谷以外みーんなアルファベットなのね。」
赤髪の女子生徒は身動きの取れない亜希の頬を濡れた手で触る。
「弱そうな顔!」
亜希の頬から水が滴り落ちる。
「私は2組の水野優奈。さて、交渉よ。中原さん。」
「交渉…?」
「さっきから捕まったフリしてるこいつ…」
水野はそう言って悠を指さす。
「こいつはあんたたちが捕まってるから動かないだけで、さっきからいつでも逃げられる体勢にあるわ。」
「…。」
悠は彼女の言葉に対し、沈黙を貫く。
恐らく本当のことなのだろう。
「私はあなたたちからゼッケンを奪うのは簡単だけど、それは出来ない。ゼッケンを奪う隙に、必ず中谷は私たちを皆殺しにするからね。だから交渉よ。」
水野は懐から3枚のゼッケンを取り出した。
「私たちのチームが手に入れたゼッケン、あんたらのチームにあげる。その代わり…」
水野は亜希を指さし言った。
「あなたが中谷を殺しなさい。」


