「アハハ!!また馬鹿が引っかかったわ!」
水面から長い赤髪が浮かび上がる。
真っ赤な髪に、浅黒い肌の女子生徒が水中から上半身だけ出してこちらを見ていた。
赤髪の女子生徒は悠の姿を見るなり歓喜の声をあげる。
「キャー!しかも、コイツ1組の中谷じゃない?」
「え、中谷?」
水面から3つの水飛沫が上がり、3人の生徒たちが顔を出した。
「ほんとだ。中谷だ。」
長い前髪から水を滴らせた男子生徒は、水面から顔だけ出した状態で捕らえられた悠に近づき、ジロジロとその姿を眺めている。
その隣で、厳つい顔に筋肉質な身体の上裸の男子生徒が、体を半分だけ水面から出して悠を見て高らかに笑う。
「ハッハッハ!!中谷討ち取ったり!」
「ねぇ、開放した方がいいんじゃない?怖いよ、中谷さん・・・」
上裸の男子生徒のすぐ後ろで、気の弱そうな女子生徒が不安そうな顔で悠を見つめている。


