はまきり





湖エリアは文字通り、湖が広がった場所だ。


俺たちは湖の周りを歩いていた。


「誰もいないわね。」


辺りを見回しながら亜希がつぶやく。


亜希の言葉に神木も頷く。


「そうだねぇ、まぁこんな目立つところに敵が歩いてるとも思えないけど。」


神木の言う通り、湖が広がるこのエリアには隠れるような場所はない。


「俺たちこんな目立つところ歩いて大丈夫なのか?」


「なるべく早く通り過ぎた方がいいわね。でもここを通らないと他のエリアには行けないのよ。」


「ふーん。」


その時だった。


亜希の持っている地図を俺が覗き込もうとした瞬間、体のバランスが崩れた。


何かが俺の足を引っ張っていた。






「野添!!」


湖から出た真っ白な手が、俺の足首を掴んで湖の中に引きずり込もうとしていた。


必死に振り払おうとするも、相手の力が強く振り払えない。