二人は女子生徒の亡骸を抱え、何も言わずに木々の中に消えていった。
「悠、今のは…」
「去年同じクラスだった三つ子で、鎌鼬という妖怪です。」
悠は俺の方を向くことなく、彼らが去っていった方角を見つめたままそう言った。
俺はこれ以上、何も悠に聞くことが出来なかった。
「行きましょう。次のゼッケンを探しに。」
悠のその言葉に、反対する者はいなかった。
亜希は何事も無かったかのように、再び地図を広げる。
「とりあえず、他のチームに会わないことにはゼッケンは取れないわ。この辺にはもう誰もいないみたいだし、他の場所を探すことにしましょう。」
亜希の提案で、俺たちはここから数百メートル離れた湖エリアに向かうことにした。


