「野添さん、大丈夫ですか?」
「ちょっと、しっかりしなさいよ。こんなくらいでいちいち気絶してんじゃないわよ。」
明るくなった視界に、真っ先に飛び込んで来たのは心配そうな顔で俺の顔をのぞき込む悠だった。
「ここは…?」
どうやら俺は意識を失って地面に倒れていたようだ。
体を起こすと、頭が少し痛んだ。
「ここは森林エリアってとこみたいね。」
亜希はA4サイズの紙を見ながら言う。
「なにそれ。」
「地図よ。ゼッケンと一緒にチームリーダーに配られてるの。」
「どうやら全チーム、チームごとにばらばらになるように転送されたみたいだねぇ。」
神木は亜希の地図を除き込みながら楽しそうにそう言う。
「とりあえず、敵チームがいないことにはゼッケン奪えないわね。探すわよ。」
地図を折りたたみポケットにしまい、森の奥へと進もうとする亜希を、悠が止めた。
「待ってください。」
「どうしたの?悠。」
「敵を探しに行く必要はないようですよ。」


