旬ちゃんたちは既に帰ったのか、まだ3年生の教室のところに居るかはわからないけれど……私たちは、誰にも会うことなく外に出た。


そして、徒歩5分の家に無事到着。

『明日の朝迎えに来ようか?』とマサくんは言ったけれど、『大丈夫だよ』と返して微笑んだ。


……大丈夫。 私は、大丈夫。



「とりあえず連絡先の交換はしとこ。 なんかあったらすぐ電話ちょうだい。 あ、俺は何もなくても電話するけどね」

「ふふっ、わかった」



門のところで連絡先の交換をし、確認が済んだあとにマサくんは帰って行った。



ふと、旬ちゃんの家へと目を向ける。

……旬ちゃんの部屋はまだ暗いし、他のところも電気はついていない。



「……まだ、高橋さんと一緒なのかな……」



……ズキズキと胸が苦しくなるけれど、『私は大丈夫』と言い聞かせながら、静かに家の中へと入った。




──その後、旬ちゃんからの連絡はなかった。……というか、晃太くん、歩夢、マーくんからも連絡はないままだ。

こっちから連絡すれば返事をくれたと思うけれど、何を言えばいいかわからなかったから、結局そのまま何もしなかった。


唯一メールしていたのは、家の前で連絡先の交換をしたマサくんだ。

……マサくんは一緒に居てくれる。 一緒に笑ってくれる。

それだけが今の私の心の支えだった。