玄関で靴に履き替え外にでると
一台の黒塗りの車
それに寄っかかっているのは
黒いスーツを着こなした竣
私と目が合うと笑顔で
手を振ってきた
それにしても竣の周りに女の子が
群をなしている
さすが爽やか王子翠の兄、竣
群がる女子の合間を颯爽と歩き
私たちの前まで来た
「お迎えに上がりました」
私の前に跪き手を取り
その甲に唇を落とした
なんでしょうか、これは
私はどこかの国のお姫様でもなければ
高飛車なお嬢さまでもない
もしかしたら竣は
どこかの国の王子様かもしれないけど
あまりにも突拍子もない行動に
私はフリーズしてしまった

