優しさ、そして愛



みんなとは別行動で
私と翠は教室に向かった





よく考えたら今って授業中で
みんないるんだよね





「昨日の夕食も今日の朝食も
 美味しかったからお弁当も
 楽しみだな」






私の心配はつゆ知らず
隣を歩く翠は終始笑顔





「それじゃあ取ってくるね」






教室に着いたので
私は1人で教室に入ろうとした






「俺も一緒に行くよ」






そういうと同時に翠は
教室のドアを開けた






いきなり現れた翠に全員の視線が集まる






そんなことお構いなしに
私の手を取り席に向かう






「あ、これだよ」






机の横にかけておいた
少し大きめのバッグ






「じゃあ俺が持つね」






私と繋いでいる反対の手でバッグを持ち
また手を引き歩き始めた






「あ、そうだ…」






突然立ち止まりクラスメイトに
振り返る






「俺たちの大事な子だから
 仲良くしてあげてね」






極上の王子様スマイルの翠






そのまま私は翠に手を引かれ
教室を出た