手紙でピアスの穴を開けたと
聞いたときに私が送ったもの
ブルーの石がついたシンプルなもの
私も高いものは買えなかったけど
お小遣いを貯めて買った
今でも大切にしてくれてるということが
本当に嬉しかった
「杏、隣に座りなさい」
おじいちゃんに手招きされて
静かに座った
「杏だ
沙希の実の娘で櫂の妹だ
今まで離れて暮らしてたが
これからは一緒に暮らす
この世界のことは知らないし
杏のことは傷つけたくない
でも寂しい思いはさせねぇでやれ
精一杯可愛がってくれや」
あぁ、あったかい
これが家族にかな
私の頭を撫でる
おじいちゃんの手の温もり
私を見つめるお兄ちゃんの
優しい視線

