優しさ、そして愛




やめないときっと竣さん
ずっとお嬢って呼ぶんだろうな





ここは素直に従うほうが…






それになんか竣さんには
逆らわないほうが…








竣さんから感じる雰囲気に
なんとなくそう思ってしまった







「しゅ、竣…

 私のことも、名前で呼んで…?」






めっちゃ恥ずかしいよ!!





「そんな可愛らしくお願いされては
 断れませんね?

 …杏」






思わずドキッとしてしまった






だって竣が色っぽく私の名前を
呼ぶんだもん






「さすがに柳澤の一人娘に
 呼び捨ては出来ないので杏さんで
 許してくださいね?」






悪戯っぽく笑う竣は
相変わらずかっこよくてズルい






でも私も心臓保たないし
そのほうがいいや







「それでは大広間に参りましょう

 皆さん、首を長くしてお待ちですよ」







これから私は“家族”に会うんだ