「そんなこと言っていただけるなんて
俺の方こそ杏さんには
お世話になってます」
そう言った竣は私のことを
優しく抱きしめてくれた
蓮や奏斗よりも少し大きな身体
細身だけどしっかりしてるし
温かくて安心する
「…竣、そろそろ恥ずかしい」
周りの視線…
特に蓮たちからの視線が
私と竣を刺している
「また後で話したいです
よろしいですか?」
何度も頷く
離れた身体にほっとしたような
少し寂しいような
でも、一位とれたし
これでまた優勝に一歩近づいたよね
私は竣と別れて自分の陣地に戻った
「一位おめでとー!!」
戻ると同時に沙奈が熱い包容をされた
「あ、ありがと…」
とてもとても苦しいです
「お疲れさまー」
「お疲れ、杏ちゃん」
みんなからそれぞれ労いの
言葉をもらった
なんか空気感が違う2人…
蓮と奏斗にすごい見られてる…
「杏、さっきの約束
ちゃんと守ってくれよ?」
あ、デートってやつか
「杏、さっきのは
お前だけに思ってることだから」

