優しさ、そして愛




私は一目散に走り出した




右手には先程の
お題が書かれている紙





「竣!!一緒に来て!!」






いきなり来た私に竣もお兄ちゃんたちも
みんな驚いていた






「竣!早く!!」





未だ戸惑っている竣の手を掴み
私は走り出した






「杏さん

 何が書かれていたんですか?」






諦めて私の隣を走る竣に
聞かれた





「ゴールしてら教えるね」





なんか思いつきで竣のこと
連れて来ちゃったけど言うの
恥ずかしいな…






「またしても白組団一位!!」






私たちは無事に一位で
ゴールすることが出来た






「それではお題を!!」






竣も興味津々といった顔で
私を見ている






「えっと…お世話になっている人、です」






色んな人にお世話になってるけど
真っ先に竣が浮かんだ






「いつもありがとう」






こっちに来てから竣はいつも
そばにいてくれて…






本当に私は竣という存在に救われた