優しさ、そして愛



え?





デートってあのデートだよね??






「ということで白組団一位ー!!!!」







解説を担当している生徒が
声高らかに白組団一位を告げた







それに沸く体育祭






私は未だ奏斗の腕の中






ドキドキといつもより速く脈打つ
心臓の音が奏斗に聞こえてしまいそうで






赤くなっている顔は
きっと日焼けのせいではないよね






そのまま私は待機場所まで
お姫様だっこで連れて行かれた







「…じゃあ約束な?」





その途中急に告げられた約束






「さっきの

 俺、デートに誘ったじゃん」






あれって借り物競争の中の
話じゃなかったの?





「だめか…?」






そんな寂しそうな顔しないで






デートっていっても一緒に
お出かけするだけだよね






「…いいよ」






だからそんな顔しないで





私はみんなに笑ってて欲しいの





「じゃあまたメールするから」







そう言った奏斗の顔は
とても優しい笑顔だった







待機場所に戻る頃、
蓮がスタート地点に立っていた







「頑張ってね、蓮!!」







蓮の背中に声をかけた