優しさ、そして愛



「次はかなくんだね!!」




「頑張れー!!奏斗ー!!」






薫と一緒に奏斗を応援する






スタート地点で涼しい顔をし
立っている奏斗






ピストルの合図で一斉に走り出す






薫も速かったけど、
奏斗もすごく速いんだな






それも顔色一つ変えずに走ってる






奏斗はそのまま一位でゴールテープを切り
こちらに戻ってきた






「お疲れ様!奏斗
 
 すごくかっこよかったよ!!」






私の差し出したドリンクを受け取り
奏斗は一口飲んだ





「ありがと

 杏が応援してくれたから」





ふわりと奏斗が笑った







滅多に見ない奏斗の極上の笑顔に
思わず魅入ってしまった






その笑顔ズルい





「顔赤いぞ?」





心配そうに私の顔をのぞき込むが
恥ずかしさから顔を逸らした





「ほら、次は200m走だよ」






助かった…





声をかけてくれたのは翠






「斎と蓮が走るよ」






「そうなんだ!!

 2人とも頑張ってね!!」