最初の競技は100m走
薫と奏斗が出るみたい
「杏ちゃん、応援してね!!」
「うん!!
頑張ってね、薫」
手を握り合い薫に
エールを送る
私の言葉にピースをして
待機場所に走っていった
「奏斗も頑張ってね!!」
「ん、ありがと」
薫に続いて待機場所に向かう
奏斗の背中に声をかける
その言葉に奏斗は振り向いて
笑ってくれた
「奏斗も杏に懐いたなー」
私の隣に座った斎が
しみじみと言った
奏斗は犬じゃないんだけどな…
どっちかっていうと猫みたい
好きな人には甘えて
嫌いな人にはそっぽを向く
猫のそんな雰囲気に似てる気がする
「あいつ前よりよく笑ってる
杏のおかげだな!!」
斎が嬉しそうに笑った
そんな笑顔で言われたら
照れちゃうじゃん
「ほろ、薫が走るよ」
翠の言葉を聞いて校庭に視線を移す
ピストルの音の後
一斉に走り出した
薫は早かった
2位以下を大きく引き離し
あっという間にゴールテープを切った
「わーい!!
杏ちゃん見てたー!?」
飛び跳ねながらこちらに
満面の笑みを向ける
「すごいすごい!
かっこよかったよ!!」
こちらに走って戻ってきた薫と抱き合う

