俺を嫌いになればいい。






「…その番長を倒したとされる俺は自然と“番長”になった」

「なんか、他人事だね?」

「…他人事もなにも他人事だからな。なにも俺は前番長を倒したわけじゃねえ。番長を倒そうとしたヤツと、前番長が相討ちになったところにたまたま出会しただけだ」

「(…え、もしかして)」

「…そのまま俺は『番長と腕が立つヤツを相手に、無傷で勝った新入生』っていうレッテルを張られたんだよ」





やっぱり、と思った。



そしてわたしなんかに哀れに思われたくはないだろうけど、可哀想過ぎると思ってしまった。