「ヤール、しっかり国を守れよ。」
「兄様!」
セレが窓から飛び出した瞬間に母が来た。
僅かに開いたドアの隙間、本当に一瞬、母の顔を見た。
半月に照らされた懐かしい顔…
お元気そうだ…
セレは屋根づたいに走り去った。
窓の下にいたタリヤと目があったが、タリヤは動かず、セレも足を止める事は無かった。
「ヤール、何かあったのですか?」
母がドアを開けて入って来た。
「母上、ノック位して下さい。いつも言っているでしょう。」
ヤールは絨毯の血の痕を隠す様にその上に立った。
「今、誰かいたわよね?誰なの?」
「私が放《はな》っておいた密偵です。誰にも知られたくなかったのですが、見つかってしまいましたね。」
…今は兄様のことは伏せておこう…
「密偵?何を探らせているのです?ノルン国の事ですか?」
「いずれ、お話します。お騒がせしてすみませんでした。」
「兄様!」
セレが窓から飛び出した瞬間に母が来た。
僅かに開いたドアの隙間、本当に一瞬、母の顔を見た。
半月に照らされた懐かしい顔…
お元気そうだ…
セレは屋根づたいに走り去った。
窓の下にいたタリヤと目があったが、タリヤは動かず、セレも足を止める事は無かった。
「ヤール、何かあったのですか?」
母がドアを開けて入って来た。
「母上、ノック位して下さい。いつも言っているでしょう。」
ヤールは絨毯の血の痕を隠す様にその上に立った。
「今、誰かいたわよね?誰なの?」
「私が放《はな》っておいた密偵です。誰にも知られたくなかったのですが、見つかってしまいましたね。」
…今は兄様のことは伏せておこう…
「密偵?何を探らせているのです?ノルン国の事ですか?」
「いずれ、お話します。お騒がせしてすみませんでした。」

