動きを止めるのが無理なら次の手だ。
タリヤは予め王宮内に罠を仕掛けていた。
今まで発動させた事は無かった。必要が無かったから。
魔法の『網』を通り抜けた者はいたが、大地の魔法で捕らえられなかった者は初めてだ。
その罠は『王の寝室に入るには絶対に通る場所』にある。寝室のドアと窓だ。
壁を壊して入るなら別だが、まずそれは無い。
「国王陛下には絶対に触れさせない!」
タリヤは罠を発動させる呪文を唱えた。
セレは王宮の壁を登っていた。手掛かりは僅かな凹凸だけだ。
「王宮の壁を登る王子なんて世界中で俺だけだろうな…」
目当ての部屋の下に着くまで、思ったより時間はかからなかった。
寝室の窓に手が届く所まで来た。ここまでは何も無かった。
だが『王の寝室』だ。すんなり入れる訳は無い。見張りが居ないのはその証拠だ。
窓に向かってコインを投げてみた。ガラスにぶつかる瞬間
スカッ!
とコインが真っ二つになった。
…真空だ。
タリヤは予め王宮内に罠を仕掛けていた。
今まで発動させた事は無かった。必要が無かったから。
魔法の『網』を通り抜けた者はいたが、大地の魔法で捕らえられなかった者は初めてだ。
その罠は『王の寝室に入るには絶対に通る場所』にある。寝室のドアと窓だ。
壁を壊して入るなら別だが、まずそれは無い。
「国王陛下には絶対に触れさせない!」
タリヤは罠を発動させる呪文を唱えた。
セレは王宮の壁を登っていた。手掛かりは僅かな凹凸だけだ。
「王宮の壁を登る王子なんて世界中で俺だけだろうな…」
目当ての部屋の下に着くまで、思ったより時間はかからなかった。
寝室の窓に手が届く所まで来た。ここまでは何も無かった。
だが『王の寝室』だ。すんなり入れる訳は無い。見張りが居ないのはその証拠だ。
窓に向かってコインを投げてみた。ガラスにぶつかる瞬間
スカッ!
とコインが真っ二つになった。
…真空だ。