「ここは俺が住んでいた離宮だよ。昨日の 事、忘れたかい?」

「昨日…」

とつぶやいてから、ハッと我に返った。

「そうだ!お父さん!お父さん生きてたん
 だ!どこに居るの?」

「多分、近くに居ると思うよ。」

「お父さーん!」

セレの言葉が終わらないうちに、ピアリは走って行ってしまった。

頭の中が丸見えな娘だ。

セレは笑顔になっていた。

ローエンは2つ隣の部屋にいた。

ピアリの声を聞いて出て来た。

「ピアリ、ここだよ。」

「お父さん!」