ピアリはまだ「恋」というものを知らなかった。
目覚めていないのだった。
「…あなたも食べたら?」
「うん。食べてるよ。」
ピアリよりも随分少ない量だった。
…思わずパクパクと食べてしまったけど、ちょっと悪かったかな…
食事を済ませてセレは立ち上がった。
「西に行けば離宮がある筈だ。」
ピアリと一緒に歩き始めた。
「風」と「大地」の魔法が使えるセレの方向感覚は正確だ。
だが、しばらくして『おかしい』と感じた。
…西に進めない…
太陽を背にしてやや左寄りに歩いている筈なのに、いつの間にか太陽が正面にある。
…迷わされている。誰の魔法だろう?昨日の奴か…?
セレは立ち止まった。
「どうしたの?」
ピアリが不安そうにたずねた。
「どうも迷わされている様だ。さて、どうするか…」
考えていると、ふいに頭の中に声が響いた。
『風が教えてくれる。全身全霊で風を感じ取ってごらん。君ならできる。』
「ヴァッシュ様!?」
辺りを見まわした。
誰もいない。
…全身全霊? 風を感じ取る?
良くわからないが、目を閉じて心を鎮めてみた。
目覚めていないのだった。
「…あなたも食べたら?」
「うん。食べてるよ。」
ピアリよりも随分少ない量だった。
…思わずパクパクと食べてしまったけど、ちょっと悪かったかな…
食事を済ませてセレは立ち上がった。
「西に行けば離宮がある筈だ。」
ピアリと一緒に歩き始めた。
「風」と「大地」の魔法が使えるセレの方向感覚は正確だ。
だが、しばらくして『おかしい』と感じた。
…西に進めない…
太陽を背にしてやや左寄りに歩いている筈なのに、いつの間にか太陽が正面にある。
…迷わされている。誰の魔法だろう?昨日の奴か…?
セレは立ち止まった。
「どうしたの?」
ピアリが不安そうにたずねた。
「どうも迷わされている様だ。さて、どうするか…」
考えていると、ふいに頭の中に声が響いた。
『風が教えてくれる。全身全霊で風を感じ取ってごらん。君ならできる。』
「ヴァッシュ様!?」
辺りを見まわした。
誰もいない。
…全身全霊? 風を感じ取る?
良くわからないが、目を閉じて心を鎮めてみた。