ウォールはグレーのフェルトを取り出した。折り紙の様に折りたたんで鳥の形にした。
別の小さな紙に何か書いて、その鳥に付けた。
換気用の小窓から外に投げた。
牢から出た途端に、まるで本物のツバメの様に空を飛んだ。
魔法使い用の牢の中では魔法は一切発動しないが、外に出してしまえばこの通りだ。
「ガルテンが何か知ってるかもしれん。」
情報屋に連絡を取ろうとしていた。
灰色のツバメは、まる1日飛び続けてガルテンの所に着いた。
ガルテンは、セレに『記憶封じの剣』で記憶を消されたが、今はほぼ元通りだ。
思い出した訳ではない。自分の記録簿を見たのだ。
何事も細々と書き留めておかないと気が済まない性分だった。そのおかげで情報屋の仕事も続けられた。
窓から飛び込んで来た灰色のツバメがガルテンの肩にとまった。
「おや、誰からだ?」
ツバメに付いていたメモを開いた。
「ウォールか…何だ?」
『セレに関する事を知っているだけ全て教えろ』と書いてあった。
「全て、は嫌だね。教えられる事だけ教えて情報料をいただこう。」
フィズの事は、やはり誰にも知らせたくなかった。
別の小さな紙に何か書いて、その鳥に付けた。
換気用の小窓から外に投げた。
牢から出た途端に、まるで本物のツバメの様に空を飛んだ。
魔法使い用の牢の中では魔法は一切発動しないが、外に出してしまえばこの通りだ。
「ガルテンが何か知ってるかもしれん。」
情報屋に連絡を取ろうとしていた。
灰色のツバメは、まる1日飛び続けてガルテンの所に着いた。
ガルテンは、セレに『記憶封じの剣』で記憶を消されたが、今はほぼ元通りだ。
思い出した訳ではない。自分の記録簿を見たのだ。
何事も細々と書き留めておかないと気が済まない性分だった。そのおかげで情報屋の仕事も続けられた。
窓から飛び込んで来た灰色のツバメがガルテンの肩にとまった。
「おや、誰からだ?」
ツバメに付いていたメモを開いた。
「ウォールか…何だ?」
『セレに関する事を知っているだけ全て教えろ』と書いてあった。
「全て、は嫌だね。教えられる事だけ教えて情報料をいただこう。」
フィズの事は、やはり誰にも知らせたくなかった。