「僕の事なんかいいよ。早くそれを飲んで。」

「…うん…」

効くのは間違いない。でも、どんな味がするんだろう?

「せっかくジンがくれたんだから、さあ。」

躊躇するセレの口にピアリは強引に流し込んだ。

「…どう?」

「…美味しい…」

意外だった。

「極上のワインに、ほんの少し生クリームを足らした様な味だ。」

力強い生気が身体に広がって行くのがわかる。

…竜の血の効き目はすごいな。すぐにでも動けそうだ。欲しがる奴がいるわけだ…

だから、何とかしなければ。

「ジン。これからの君の事を話し合いたい。」

セレが切り出した。その為に2人を呼び戻したのだ。

しかし、そこにはルーチェもいた。

「ルーチェ、すまないが今は外してくれないか。」

セレは、まだルーチェにジンの正体を知らせない方がいいのだろうと思った。

「いいよ。セレ。」

ジンが言った。

「いい機会だ。全てルーチェに話すよ。ルーチェ、聞いて。」

ルーチェは頷いた。

「ルーチェ、僕はね…」

「竜、でしょ?」

ルーチェの言葉にみんなが驚いた。

「いつから知っていたんだ?」