…エルグ達はどこまで逃げただろう?

「ピアリ、すまないが頼みたい事がある。」

「うん。何かしら?」

「エルグ達を呼び戻して欲しい。」

セレは今のうちにジンをこれからどうするかを話し合いたかった。

自分で行きたいのだがベッドから起き上がる事すらできない。

掛布から出ている部分しか見えないが、皮膚は赤黒く焼けただれて所々が水ぶくれになっていた。

きっと顔もひどいもんだろう。

「いいけど、彼等が何処にいるかわからないわ。」

「君のペンダントが教えてくれる。」

「…これが?」

「チェーンを持って、ぶら下げて。」

「こう?」

ピアリは言われた通りに、ペンダントを首から外してチェーンを持った。

「そう。そのまま。」

セレが短い呪文を唱えると、ペンダントトップがクルッと動いて、ある方向を向いて止まった。

「北だな。」

「すごい…」

「そのペンダントが向いた方向に行けば必ずエルグ達に会える。」

「わかったわ。」

出かけようとするピアリをルーチェが止めた。

「ピアリはここに居てあげた方がいいわ。私が行く。」

そう言って、ピアリからペンダントを借りて足早に外に出て行った。