緑の風と小さな光 第1部

セレが目覚めたのは、次の日の午後だった。

全身がズキズキと痛む。重い火傷だ。

周りを見た。

見覚えのある部屋だ。ラドニー宅だ。

「気が付いたのね!」

ルーチェだった。

「ピアリ!セレが目覚めたわ!」

ルーチェの声にピアリが走って来た。

何も言わずにセレを見つめる。

セレはピアリの複雑な表情をどう捉えていいのか解らなかった。

…怒っているのかな…?

ピアリの右手が上がった。

…平手打ちか!?…今やられたら顔の皮膚を持っていかれそうだ…

セレは身構えた。

ピアリは手に小瓶を持っていた。中の液体をガーゼに振りかけ、染み込ませて、そっとセレの火傷に貼り付けた。

「痛み止めよ。」

即効タイプだ。痛みが嘘のように引いていく。

「ありがとう…実はかなり痛かったんだ…」

「魔法使いは再生は早められるかもしれないけど、痛みは抑えられないのよね。…辛かったでしょう?」

ピアリはポロポロと泣いた。

…こんなに心配してくれたんだな…いや、こんなに心配させてしまった…

セレは嬉しさと切なさで胸が痛かった。

「ルーチェやみんなが助けてくれたのよ。」

ピアリが言った。