緑の風と小さな光 第1部

翌日も工場ではウォールの声が響いていた。

「ジンは何処にいる?」

相変わらず横柄な態度だった。

「…ジンだって…?」

たまたまそこに居たのはエルグだった。ウォールを見て顔色が変わった。

「お前は…」

「エルグ?こんな所に居たのか!」

「……」

「お前が逃げたおかげで俺は大損を被ったぞ!…いや、今は竜の事だ。お前を連れ戻すのは後だ。ジンは何処だ?」

そこにラドニーが来た。

「作業の邪魔は困るな。」

ウォールは遠慮するどころか恫喝した。

「大した仕事じゃなかろう。俺の方はこの工場の1年分の売り上げよりも大きい金が動いてんだ!少し位の損失なら俺が支払ってやるから黙ってろ!」

ラドニーは何も言えなくなってしまった。

「僕ならここだよ。」

ジンはウォールの声を聞いて、自分から出てきた。

「ジン、お前の小屋と竜の寝ぐらは繋がっているな。」

あの小屋の住人はジンだという事を誰かに聞いたのだろう。

「お前、何か知っているな?」

ウォールは狩人の目でジンを見た。

「竜の事?知らないよ。」

「お前は普通の人間ではないよな?魔法使いでもない。…何だ?」

ジンに詰め寄る。