緑の風と小さな光 第1部

「ここの経営者が魔法使いかもしれないって聞いたんでね。でも違った様だ。」

「魔法のアイテムでも売るつもりだったのか?」

「まあな。お前も何か欲しい物があったら売ってやるよ。」

「別に無い。」

「そうかい。お前こそ何でこんな所にいるんだ?ランディール家は王家だろう?」

「緑の瞳だからといってランディール家とは限らないだろう。」

ウォールはその言葉は嘘だと思った。

昨日よりもずっと強い魔力をセレに感じていた。間違いなく、あの魔法の名門の血筋だ。

今日のセレはペンダントを手放しているから、魔法の波動がそのまま出てしまっている。

「…あの国にはヴァシュロークと言う最高峰の魔法使いもいたよな。奴の魔法書でも知らないか?」

「さあね。ヴァシュロークは確かに偉大な魔法使いだけど、俺は関係ない。」

「ふーん…お前の名前を聞いてなかったな。何と言う?」

「セレ。」

「…風か。風の魔法使いか?」

「そうだ。」

「そっちは?」

「…ジン。」

「ほう!竜か!まさか本当に竜か?」

「違うよ。」

「そうだとしても言うわけないよな。いずれ判る。またな。気が向いたら何時でも来てくれ。」

ウォールはその日は何もせずに工場を去って行った。