緑の風と小さな光 第1部

エルグは見事な体格だから、まだわかる。

だがセレの方はその細い身体のどこにそんな力があるのだろう、と誰もが不思議に感じた。

それに、セレにはどうも肉体労働は似合わない。

ラドニーも今日、まず最初にセレにきいた。

「セレ、本当にいいの?」

「何がですか?」

「どうもキミには指示がしづらいんだよね…。身分の高い人じゃないの?こんな所で労働なんかしていいの?」

昨日、お茶のカップを口に運ぶ仕草が上品で優雅だったと言うのだ。

「何が違うかって言われると上手く言えないんだけど…。みんなと違うものを感じるんだよ。」

…困ったものだ。育ちというものはなかなか抜けないらしい。品の良さなど今のセレには必要ない。むしろ邪魔だ。

「そんな事ありません。それに仕事はこちらからやらせて欲しいと頼んだんです。」

「…そうなんだけどね。」

人手の欲しい時だ。そういう事にしておこう、とラドニーは思う事にした。