御影さまにドキドキはする。
でも、それは恋じゃなくて、きっと王子様みたいな男の子にお姫様扱いされて、
舞い上がってる類のものだから。
だから、なんか罪悪感みたいなものも生まれる。
御影さまは、この数年間、私を想ってくれてて
今も私を、本気でみている。
けど、私はそうじゃないから。
「い、言いません。」
なんだか、ここにいちゃいけない気がして
御影さまから少し距離をとった。
「椎名?」
「あ、ごめんなさい。」
「いや、構わない。」
御影さまは、気にしてないようにまた笑った。
「山下、椎名の部屋を手配しろ。
俺の部屋の隣でいい。」

