自慢げに山下さんに向かって笑ったあと
すっと、私の顎を持ち上げる。
その様が、背景の部屋の力もあって
まるで中世ヨーロッパのどこかの王子のように
キラキラしている。
もちろん、一般庶民の私はドキドキなわけで。
私も女の子だったんだ。
やっぱりメルヘンなものにあこがれがあるよね。
「やっぱりおまえは最高だ。」
至近距離で甘い声と甘いマスクで悩殺スマイルをお見舞いされて
・・・バカだってわかってるのに
常識知らずで、意味不明で、とんちんかんなことばっかり言う
残念男だってわかってるのに
それは、ずるい。
一気にぷゅーっと赤くなって、うつむいてしまう。

